とび散ってすきになっちゃった





愛が這うみたいなんて腐りかけの表現で
わたしは死んだしあなただって死ぬ過程に居る

“とび散ってすきになっちゃった”

あなたダイヤモンドじゃないんだって
あたししらなかったよ
その歯にまぶしたぎらぎらを
疑いもせずのみこんじゃったよ
あたし毒めいちゃったよ
あなたのほね覗いちゃったよ
尖る花の色に滲みる
或る夜る骨に刺さっちゃった
うわごとのあじが憶いだせない
とろとろにあまい花まみれにして
秘密噛む
かわいそうな夜るのわたしたち

うるわしの怪奇現象のつづき
あなたが花やいだふり
骨を叩く 骨を叩く 骨を叩く
(みつかった?)
昏いかんばせじゃしねない
うしろから焦がされたんですもの
ぎしぎしいう心臓をないしょのままゆさぶられて
焦がされた粉々のきずあとなんですもの
底なし沼のよふかしのおわり

わたしね
ずうっと憶えてるよ
えいえんにあなたを手放したあの極まりの
吐くほどすてきな感慨