春つ暇





too sweet to be sour

がらす片がじゃりじゃり
奥歯のひらたいところでまぶされた砂糖みたいにじゃりじゃりしてる

あなたのしっぽまるで幽霊だいやいやい
わたしうそがてら花やいだいやいやい
しっている幽霊
或いはうその呪い
しんでるとちゅうで齧られたらいたいよ

初夏なので あなたを殺さなければならなくて
ポラライズド・ラスト・ダンス
偏光の真夜なかに
頬ばる化石
あなたのぎらりはすてきよ

ねじられたうつくしいこがねのくちづけ
ばらのつゆを吸う
死体はないのに探偵はいる
めくるめく初夏の奴れい

ちょこれいとみたいにのんじゃうと
あなたはわたしののどをぐっとひと突きして
ておくれだってしずかに嗤う
(やみつきのつがあなた)

ふしあわせな獣たちを気どる
毒のないわたしたちは淡々とつまらなくなる
あなたのにがいめだま
青青しいべにばなの
みみのないぬけがらにお手をおしえたら
春ざれに蛹の亡きごと
ま夜なかの水に泳ぐ
脊骨をひからせて
香ばしいうららかな然様なら
ばにらに耽るのまれる
みいらのみが蜂に刺されてる
憑いてもしらないの
それが昆虫たるゆえんなのよ
絶滅の花のねなのよ

ひみつに春いひと
だあれ

あなたは居ない
だからわたしも居ないよ

あなたと泥まみれのおとなしいよる
死体のあのひとの匂い
お砂糖めいたおぞましいかれが
かわいいぬいぐるみのそぶりをして
ちょこんと深夜枠に居すわってるでしょ

したたる蜜を鵜呑みにして
呪われていたひびを憶いだすすべがない
謎めいて逢えなくなっちゃった
おねんね上手の甘えべた

お腹のおくに骨ぼねがくっついて
よるになるとゆるやかに蠢くみたい

このまま
いっしょに呪われてくれる?