かわいそうなひとで
が
しぬのただみてる
謎なんていいご身分
それから棘の呪文をわすれる
そんな奇妙な蛮行でおかねをもらいたい
にどもはねない昆虫
撒き散らしてにがい
背泳ぎでとろけておちる
ぼやけたねごとの謎をとく
虫籠で飼ったりする
朧げに泳げやしない
恐ろしきねんねちゃん
春い秘密・柑橘の夜る
あじなまぼろし
化すまで殺める
奇っ怪なばらばらがそこらにあって
ひきはがしたみみから宝石がはえてきたよ
うつくしい絵画みたい
ひんやりした冷蔵庫みたい
かどのない浴槽みたい
わたし極さい色の恋びとにはなれない
「胸騒ぎ」「いろ?」
(夜ふけのベランダで)
花々があなたのなまえを騙る
なまえよ そんな奇妙なことばたちじゃないもの
ずうっとパールを吸ってる
だから極彩色にひたいを染めたあなたが
すごくすごく腹だたしい
ゆめの果てにほねを引っ掛けてしまった
ぢりぢりの感かくが散りばめられて
あなたが女のようなことばをぐちゃぐちゃにして
甘いままで
あなたは擦れてもいない頬からだらだら
脊なかのすきまからだらだら
つみびとのよふかし
たくさんのきずついた蜂がぼやかされている
“わたしはあなたのうつくしさにうんざりする”
さて
ちらばる野ばらです
あなたはゆめのような悪魔のまま
うつくしいほしを喰べる
奇妙にしたい
そうして
まど枠を齧る夜がくる
あなたに穿たれていろ褪める地獄があるだけ好い
あなたが蕩した肢体がもうにどとつかいものにならないだけ好い
あなたのどろどろな憎悪が壁紙をひき摺り裂いて好意で撲つだけ好い
あなたを呪ってしねないわたしがいるだけ好い
あなたはわたしのゆいいつのわるいもの
あなたは青めいてなにもない
あなたはまぶした星ぼしのひらたいところに似て
もっとわるくなる
ディーディーってしっぽのなまえよ
かれの春いろの泥濘
星がだくだくしているの
昆虫採集の金縁
わたしが粉々になってからすこし経ちますが
よれた惑星のわるぐち
恐竜みたいにざらついて
みだれ髪たべたら垂直だよ
あたしこんなにあざやかな眼球に耐えられない
ひそやかでもなく幽霊だから
すきで取り返しがつかなければ好いのに
さんかくのみえない凡て
ゆさぶらないでね
あなたわたしのきらいないぬに似てる
おさない蛹の刺青がいたい
わたしにつぼみの甘みはないので
あなたがにどとここにいてくれない
めめしい惰性
あるはずのない才能はえいえんにあるはずがないところに身を潜めて
それをみつけだすのは
あたしの永久歯のどれかひとつが臙脂色をしていることを証明するくらい
むずかしいんだってば!
愛が這うみたいなんて腐りかけの表現で
わたしは死んだしあなただって死ぬ過程に居る
“とび散ってすきになっちゃった”
あなたダイヤモンドじゃないんだって
あたししらなかったよ
その歯にまぶしたぎらぎらを疑いもせずのみこんじゃったよ
あたし毒めいちゃったよ
あなたのほね覗いちゃったよ
或る夜る骨に刺さっちゃったよ
うわごとのあじが憶いだせない
うるわしの怪奇現象のつづき
あなたが花やいだふり
骨を叩く 骨を叩く 骨を叩く
(みつかった?)
あなたはかわいい
かわいいからうそだらけ
かわいいからうそだらけだ