あなたは夜るの棘とげに刺されてしんでしまった
花ばなはすべてうそです
花ばなはすべて散りぢりです
あたしの歯を剥き出しにした恋いびとに名まえをつけて
骸骨がうそいうの 焦がされたんだよ
あなたが亡霊をのぞんだから
やわらかくてうつくしい犠牲
あなたの踊りをしらない
骨のずいまでばらばら野ばら
“あなたがおわるのみてる”
ひそめた骨もうつくしい
くだかれた宝石が星にむらがる蛾になっちゃった
惑星のまふゆ
棲み憑いてよ
みじめにしゃぶられて
ばらゐろの死体があなたかもしれない
つい心中しちゃった
まぶしくて厭がるの躾けて
すい星のひび
にせものの春ざかり
なぞめいてかなしい
淡々とさようなら
瞼をとぢます
その瞬かんの酸っぱさが
妙なまでにうそっぱちでした
背中で泳ぐふり
発光するきらきら
それはわたしたちがみしらぬ宇宙人だから
よるに浮いたりする
すごく美しくて皆んながげらげらわらう
かなしいのは
あなたが穏やかに恋いをうしなうようだったから
あなたが汚くなったかおを静かにうねらせて泣くだろうと
夜のさなかにふときづいてしまったから
死んでしまえば
あなたが “恋いびとたち”
やわらかい蛇口のぎんいろが滲むのをみていたい
あなた星を墜とした経験が?
そんなことってあるの?
もうにどと 尾を引いて 泳ぎ方をしらない
(逢えず了い)
毒々のつて
うつくしいひとびとのみどりいろはたべられたよ
金属のつきやぶるてつのあじなんだよ
ぴりぴりとんがるよ
ここがどこだかしってる?
ぴんくいろの うそつきの地獄だよ
あなたはかみさまを噛んだから
あのひとが殺してくれない
ひとすじ
泥のような恐怖でころしてくれない
夜深くに花
綴じられてゆり幽か
そこそこうつくしい絵画
まばゆい瞼の膨らみがやぶれる
かれはひとさしゆびでわたしの頬を盗む
わたしたちがひとつずつこわしてきた夜るがとおのいてゆく
わたしすごくすきだなあ
あなたの死にざまが
すごくすきだなあ
甘ずっぱくて啼けない
泳ぐのばれちゃった
春めいた暴力
淡くて奇妙
踊れないふたつの眼球
えいえんだったよ
だからもう
いらなくなっちゃったんだね